玉置浩二ショー(20200503)

玉置浩二ショーというのは、NHK不定期に放送されている玉置浩二がホストを務める音楽番組で、
玉置がゲストを呼んでお互いの曲でコラボしたり、居酒屋トークをしたり、ソロで自身の曲を歌ったりする。
ややマイナー気味の曲を歌ってる姿も見ることができるレアな番組だが、基本的には自分はゲストとのコラボを一番の楽しみにみている。

さる5月3日の放送は約3年ぶりだったとのこと。
もっと期間が空いていたように感じられたし、空きすぎてもう放送はないのかなと自分の中で諦めていたところすらあったので、3月末に放送が決定したという情報を目にした時は、テンションが上がってシャワー浴びながらいや~マジか~!ってずっと言ってた。


今回のゲストは絢香ジェジュンいきものがかり
いきものがかりとのコラボを最大の楽しみにしていた自分としては番組の予告でトークのみとわかった時は少し残念だったが、絢香とのコラボがめちゃくちゃ良くて、その余韻でこれを書いている。


絢香がゲストとして出演するのはこれが2回目で、1回目の放送では三日月を一緒に歌っている。
その時も良いなと思っていたが、今回はそれとは違う良さを感じた。
これまでの玉置浩二ショーのコラボでは、ゲストの曲を自分風、というかまるで自分の曲であるかのように歌う感じが強かった。
例えば過去にコラボした『三日月』とか、スキマスイッチとコラボした『奏』とか。
(これに関しては自分の番組なんだからある程度好きにやっていいとは思うし、原曲とその歌い手に対するリスペクトがどうのこうのみたいな面倒くさそうな話もここではしない。)

ところが今回絢香とコラボした『みんな空の下』には、絢香側に委ねて歌ってる雰囲気がみられ、絵面(?)に新鮮さがある。
音楽に関してはズブの素人だしそもそもボキャ貧なので「良かった」「~な感じ」みたいな言い方しかできないのが歯がゆいが、とにかく良かった。
ストレートに言うと、いつものようにウォ~ンとかエーイとかやかましくなく、抑えめだったのが良かったということ。

たぶん玉置浩二の好き嫌いが分かれるのはこういう部分だと思う。
自分はわりと受け入れられてはいるが、『田園』や後述する『ワインレッドの心』なんかは普通に歌ってほしいと思ってる。
・・・が、その思いとは逆に、年々アレンジの効かせ具合が強くなっているのでそれは一生叶わないだろう。
玉置自身は、「曲を自分なりに解釈すると自然とそういう歌い方になってしまう」みたいなことをどこかのインタビューで話していた気がする。


ジェジュンとは『メロディー』を歌っていたが、うってかわってこちらは2020年バージョンという具合のクネクネ感。
意外と昔の曲なので、歌い方はもちろん歌詞も当初から何度か変わっている。

ちなみに『メロディー』と『ワインレッドの心』は玉置(安全地帯)の代表曲ということもあり多くのアーティストがカバーしているが、
いまだに自分の中でしっくりくるものに出会えていない。
特に後者は自分が玉置にハマるきっかけになった曲なので、原理(原曲?)主義者みたいなものになってるのかもしれない。
玉置自身もワインレッドは数回歌い直してリリースしているが、あれは若い頃の玉置専用の曲なのではないだろうか。
そう思ってしまうほど特に85年あたりのライブ音源は素敵な歌声である。


トークコーナーではいきものがかりの三人を呼び、青田典子も交えて(玉置の出演する番組にはだいたい付き添ってる)話をしていた。
その中で玉置がいきものがかりの『ありがとう』を良い曲だねと言っていて、放送のちょっと前に勝手に作った2010年代好きな曲ランキングでこれを2位にしていた自分は
玉置さんよくわかっとりますやん・・・
となぜか得意気になった。


そしてこの番組の自分なりのもう一つの楽しみ方が、番組でゲストとコラボした曲の素晴らしさを再確認し、原曲を聴き直すことである。
番組でコラボする曲はだいたいそのアーティストの代表曲で、もちろん自分も知ってた曲なのだが、
コラボを通じて「こんなに良い曲だったっけ!?」と改めて気付かされる体験が楽しい。

早速『みんな空の下』をダウンロードしてこれでもかというくらい聴きまくってる。
約10年前の曲だからか絢香の声に若々しさを感じるが、玉置は10年も経てば別人かと思うほど声が変わるのでそれに比べれば絢香はほとんど変わってないと言えると思う。

これについても玉置個人にもっとスポットを当てた記事をいつか書きたいが、ただでさえ冗長なこの記事のさらに5倍くらい長いものになりそう。